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「オコシコンは本当に安いのか?」現場のプロが教える、ネット情報と現実の「決定的な違い」

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近年、SNSやYouTubeで話題の「オコシコン」
 
「水たまりができない」「草が生えない」「砂利より安くて土間コンより楽!」
 
……そんな魅力的な言葉が並んでいます。
 
しかし、いざ山口県で施工しようとすると、ネットの情報通りにいかない「壁」にぶつかります。
今回、「オコシコン・オワコンの施工はできますか?」というお問い合わせをいただきましたので
こちらのブログでも詳しい内容を現場のプロの視点から、その裏側をすべてお伝えします。
 
 
 
 
1. オコシコン・オワコンって何?(生コンとの違い)
 
一言でいうと、「水を吸い込むコンクリート」です。

●普通の生コン
 表面をツルツルに固める。水を通さないので「水勾配(傾斜)」を作って排水が必要。

●オコシコン・オワコン
 内部に隙間があり、雨水をそのまま地面へ通す。平らに仕上げても水たまりができない。
 
💡なぜ注目されているのか?
ゲリラ豪雨対策、草むしりからの解放、そして「ワイヤーメッシュ不要」「コテ仕上げ不要」という施工の圧倒的な早さや楽さが、人手不足の建設業界で革命的だと言われているからです。
 
 
 
 
2. なぜ山口県では取り扱いが少ないのか?

「そんなに良いものなら、どこの生コン屋でも作ればいいのに」と思いますよね。実は、そこには生コン工場の「リスクとコスト」の問題があるそうです。

●JIS規格の壁
 生コン工場は法律で定められたJIS規格品を作るのが本業。オコシコンは「特殊品」扱いのため、手間がかかる割に利益が薄く、保守的な工場は敬遠します。

●地域格差
 現在、山口県内で安定して製造しているのは下関や岩国などの一部。宇部や山口市周辺には、まだ製造に対応できる工場がほとんどないのが実情です。
 
 
 
 
3. 【重要】ネットの「激安情報」と山口の市場の決定的な差

ネットでよく見る「定額プラン」や「土間コンより安い」という謳い文句。これには「※プラントが近隣にある場合」という重要な注釈が隠れています。
山口県、特に山口市周辺で「安くならない」のには、避けられない3つの物理的理由があります。

① 遠方からの「運搬コスト」
ネットの情報 :材料代+施工費で安価に設定。
山口の現実  :対応工場が遠いため、「長距離運送費(チャーター料)」が数万円単位で加算されます。この時点で、ネットの激安価格は成立しなくなります。

② 「残土処分費」の増加
透水性能(水を逃がす力)を100%発揮させるためには、コンクリートの下にある砕石層を通常より厚く作る必要があります。
 ・通常より深く地面を掘る =「捨てる土の量(残土処分費)」が増える
 ・深く掘った分を埋める  =「砕石の材料代」が増える
メッシュ筋などの材料費は浮きますが、この「地面の下」にかかるコストで相殺されてしまうのです。

③ 「人件費」の考え方
「作業が早いから人件費が浮く」と思われがちですが、現場の計算は少し違います。
職人はその日のために予定を確保し、重機を運び、準備をして現場へ向かいます。作業が数時間早く終わったとしても、プロとしての「1日分の人工(にんく)代」は発生します。半日で終わるからといって、費用が半分になるわけではありません。
 
 
【参考】
山口市周辺でのコストイメージ(駐車場2台分・約30平米の場合)※定額プランは考慮しておりません
お客様(特にコストを重視される方)のために、あえて正直な数字の目安をお伝えします。

●通常の土間コンクリート:約30万〜40万円
(地元の工場から届くため、運賃が安く抑えられます)

●オコシコン:約38万〜50万円
(材料代の高さ + 長距離運賃 + 残土処分費の増加が影響します)

現時点では、オコシコンの方が「1.2倍〜1.5倍」ほど高くなるのが、山口県内での「嘘のないリアルな数字」です。これを無理に安くしようとすれば、下地を薄くするなどをせざるを得なくなり、数年後の陥没や表面の剥離(はくり)に繋がってしまいます。
 
 
 
 
4. DIYでする? 業者に任せる?

この商品は「転圧(叩くだけ)」で済むため、DIYにも向いています。(特に施工がより簡易なオワコン)

●DIYが向いている人:家周りの「犬走り」や「物置の下」など、多少のデコボコが気にならない場所。とにかくコストを抑えたい(自分の労働力はタダ)。

●業者に任せるべき人:「駐車場」など、車の重さがかかる場所。
下地(路盤)をしっかり作らないと、数年後に沈んだり割れたりします。この「下地作り」こそが、プロの技術の差が出る部分です。
 
 
 
 
5. 結局、どうしたらよいのか?

「安くなるならやりたい」という方は、山口県の現状では通常の土間コンクリートをお勧めします。それが一番確実で安いです。

しかし、以下のような方は「高くてもオコシコン」を選ぶ価値があります。

・「地形的にどうしても水勾配が取れず、水たまりができる」
・「排水溝(U字溝)を作るスペースや予算を削りたい」
・「夏場の草むしりを一生やりたくない」

 
 
 

6. 未来への展望:オコシコンは「次世代のスタンダード」になれるか?

ここまで山口県の厳しい現実(コスト面)をお伝えしてきましたが、私はこの「オコシコン・オワコン」という商品自体には、既存の土間コンクリートを凌駕する素晴らしいパフォーマンスがあると確信しています。

今はまだ「過渡期」であるということ

現在、山口市や宇部市周辺でコストが高くなってしまうのは、製品の欠陥ではなく、単に「近くに作る工場がまだ少ない」という流通の問題です。

今後、この工法の価値が広まり、山口中部エリアでも製造に対応するプラント(工場)が増えていけば、遠方からの運搬費は劇的に下がります。そうなれば、ネットで言われているような「土間コンよりも安くて高機能」という逆転現象が、この地域でも当たり前になる日が来るはずです。

私たちが今、これをお伝えする理由

現時点では、コスト面で「土間コンと同等か、それ以上」という回答になってしまいます。しかし、それでも私たちがこの商品を取り扱い、ご紹介し続けるのは、価格差を補って余りある「暮らしの質」の向上があるからです。

・ゲリラ豪雨でも足元が濡れない快適さ
・水勾配を気にせず、庭を平坦に広く使える自由度
・メンテナンスの手間を極限まで減らせる将来性

これらは、単なる「駐車場の床」以上の価値を住まいに与えてくれます。

 
 
●今の「ベスト」を一緒に考えましょう
 
「今はまだ高いから、数年待つ」という選択も一つです。
あるいは、「少しコストは上がるけれど、この高機能を手に入れたい」という決断も素晴らしい選択です。

上田左官工業では、「最新の技術」と「地域のリアルな状況」の両方を踏まえ、お客様にとっての「今、一番後悔しない選択」を一緒に考えていきたいと思っています。

山口の気候や土壌を知り尽くしたプロとして、メリットもデメリットも包み隠さずお話しします。少しでも興味を持たれたら、まずは「うちの現場ならどうなる?」とお気軽にご相談ください。
 
 
 
 

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